(夢心地に踊らされているかのようだ)


可愛らしく言えばふわふわ、ありのままを示すとゆらゆら。 波の上で昼寝をしているかのような空の中で遊泳しているかのようなそんな感覚が身体を余すことなく支配している。 外は何も見えない。景色などはどこにも存在していなかった。 あるいは自分の目が景色を拒んでいるのかもしれなかったが、ただ延々と続く闇だけが視界を覆う。 同様に音さえもなく、声も聞こえず、香ることもなく。


(此処は何処だ?)


唇を動かして呟いたと思っても声は発せられなかった。
ふわふわ、ふわふわ、ゆらゆら、ゆらゆら
ふわふわ、ふわふわ、ゆらゆら、ゆらゆら
ふわふわ、ふわふわ、ゆらゆら、ゆらゆら
その代わりとでもいうように、より一層身体を支配するこの感覚が響いた。心地よくなどはない。 しかしどこか懐かしいような愛おしいような(そして憎らしいかのような、)感じがしてそれがとても不思議でならない。 そう思うとこの無に等しい世界が急に温かであるように思えた。

(確信はできないけれど)


ふわふわ、ふわふわ、ゆらゆら、ゆらゆら


(・・・目を覚ませるような気がする)


ふわふわ、ゆらゆら、ぐらぐら、くらくら
ゆらゆら、くらくら、ぐらぐらぐらぐらぐらぐら――――






エネトピア









揺り籠





2007.12.01