帯を捻って両端を張り合わせてみる。
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それはとてつもなく歪な感情であり感覚であり覚醒の時でもあった。
何かに目覚めた、とは云えないのだが、確かに私は私であることに何らかの違和感を感じていたのだ。
肌に突き当たる風の冷たさとか朝なのに何故かいちにちの終わりであるような感じとか、それが例えば当たり前なものであったとしても、今の私には酷く厳しいものでしかなかった。
この手のひらが目の前にいるたったひとりを掴もうとしているくせに
心の中では「手放したくて仕方がない」とひっきりなしに叫んでいるのだ。
距離を縮めば縮めるほど後に離れていく距離は倍になり、倍になり、さらに倍になる。かといって離れたいと思えば本当にあっけなく離れてしまう。 どうしてなんだろう。 どうして、なんざ問う暇があるのなら今すぐこの足で答えに向かって駆け出せばいいのに。 答えの在り処は分かっている。それは見つけたものではなく教えられたものでもない。 しかしそこに行けば必ず揺るがない何かはあるのだと信じていた。 信じることで救われるわけでもない、のに。 私は私と向き合えはしないから せめて鏡でもあればいいと思っている。 そうすれば自分の醜い表情とか無機質なほどの身体の価値とか、全部把握できるから。 把握できた後はどうしようか、また振り返ってみようか。 そんなことを思っている内はまだまだ私の中にある自己嫌悪のメビウスの輪からは抜け出せそうにないなぁ、なんて思ってみたりするのもたまにはいいかもしれない。 2007.03.13 |